私たちは生きていくために、食べ物を食べて、空気を吸って、水を飲んで、生きていく上に必要なものを体に摂りいれます。
食べものはサイズが大きいので、胃腸で細かく分解し、血管の膜を透過するほどの小さいサイズにします。この働きを「消化」といい、消化された食べ物を「栄養」と言います。
栄養は、血管に吸収され、60兆個とも100兆個とも言われている全身の細胞の中に運ばれます。
そして、細胞の中では、まるで巨大工場のように、エネルギーを作ったり、痛んだ細胞を修復したり、新しい細胞を再生したり、ホルモンを作ったり、大切なタンパク質を合成したり、焼却炉のように異物や不要物を処理するところもあります。
細胞の中で使われた栄養素のカスが「老廃物」です。この老廃物や毒素を静脈やリンパ管を通して腎臓や大腸を通じ、体外に排泄されます。
これらの一連の生命活動がきちんと機能して、私たちは健康な毎日を送ることができます。
この「消化」→「吸収」→「利用」→「排泄」という生命活動の全てに関わっているのが『酵素』なのです。
『酵素』とは、体内で行われる化学反応(消化や代謝等)の触媒の役割をする物質で、私たち人間だけでなく全ての動物、植物、微生物にも存在します。
「触媒」というとわかりにくいですが、『酵素』は、家を建てるときの大工さんの役割とよく似ています。材木などの材料や道具があっても、大工さんがいないと家は建ちません。
これと同じように、食べ物を食べても、空気を吸っても、水を飲んでも、『酵素』が体の中にあって、きちんと働いてくれないと、消化も吸収も排泄も行われません。
ですので、『酵素』は、「生命の根源」ともいわれ、生命活動に欠かせない大切なものなのです。
なぜ、Raw(生)がいいの?
この大命活動に欠かせない『酵素』ですが、実は、熱に弱く48~60度の熱でその働きを失ってしまいます。
そのためローフードでは、野菜や果物に含まれる『食物酵素』の働きを生かすために、必ず48度以下で調理を行います。
そして、これが大切なことなのですが、私たち人間の体に必要な『酵素』は、大きく分けると「消化酵素」と「代謝酵素」の2つがあります。
「消化酵素」とは、食べたものを消化するための『酵素』で、「アミラーゼ」、「ペプシン」、「リパーゼ」などがあります。
一方、『代謝酵素』は、呼吸、血液を動かす、毒素の排泄、栄養の摂り込み、ホルモンの分泌など、消化された栄養素を「吸収→利用→排泄」するのに必要な『酵素』になります。
現代の食事は欧米化が進み、肉類、加工食品、乳製品、洋菓子、精製された穀物(パン、パスタ)などが多く食べられるようになりました。
しかし、これらの食べ物は「消化酵素」をたくさん使うため、「代謝酵素」に使う分が足りなくなってしまいます。
そうすると、代謝が低下しますので、「疲れ」や「眠気」、「風邪をひきやすい」、「肩こり」、「頭痛」、「体調不良」などなど、体の不調につながり、そして病気へとつながっていきます。
これも体に必要な2つの『酵素』をバランスよく摂り込むことで、健康な状態を保つことができます。
例えば、Aさんの場合
例えば、Bさんの場合
ローフードで、たくさん食べることで「食物酵素」がたくさん摂取できます。
生の野菜や果物に含まれる「食物酵素」は、自己消化する働きがあるので、食べ物を消化するために、体内の「消化酵素」はあまり必要としないのです。
そうすると、体内では「代謝酵素」が十分に働き、代謝が活発になります。
こうしたことから、ローフードを摂り入れることで代謝が高まり、細胞の修復や再生、毒素排泄が盛んになり、肌荒れや肥満、便秘、冷え性、アレルギー、更年期障害などといった体調不良が解消され、体質を改善される方が多く見られます。
ただ、ローフードを食べれば良いというわけではありません。
正しい食べ方を知って、結構を手に入れましょう。